僕の愛車であるZ1000 15年式 ABSモデルをいいところ4つ、悪いところ2つでレビューします。
積載性や快適性など、Z1000についてよく言われている弱点2つについても記述します。
結論:デザインが好みなら買って間違いなしの最高のバイクです。
モデルによって少しずつ違う部分もあります。
ABSの有無、アシスト&スリッパークラッチの有無、Rエディションの存在です。
細かな部分だとクラッチホルダーの形状変更などがあります。
上位グレードのZ1000 Rエディションとノーマル車の大きな違いはブレーキとサスペンションが、それぞれブレンボとオーリンズという有名メーカーの部品に変更されている点です。
他にはカラーリングとエンブレム、タンクパッド、ステンメッシュブレーキホースが装備されているあたりが違いです。
ブレンボとオーリンズもあるに越したことはないのでしょうが、個人的にはABSとアシスト&スリッパークラッチの恩恵の方がはるかに大きいと思います。
ABSは14年式と15年式では付いているモデルとそうでないモデルがあり、それ以降は標準装備です。
スリッパークラッチは16年式以降のモデルで標準装備されています。
・ABSは通りすがりの女性に見とれてしまって、やむを得ず急ブレーキした僕の命を何度も救ってくれました。
・スリッパークラッチはクラッチの重さがノーマルクラッチから30%減となり、快適さが段違いです。
僕のようにスリッパークラッチを後付けすると5~7万円以上かかったりします。
ドリフトを楽しみたい方以外はABSとスリッパークラッチが標準装備となった、2016年式以降をオススメします。
Z1000の最高なところ
その1:シンプルに顔
このバイクの圧倒的に優れた点は「顔」に集約されています。
恋愛において面食いはあまりいい印象は持たれませんが、
こう答えられたら逆に潔くて男らしいセリフではないでしょうか?
ホントは性格も好きだけど、照れ隠しのメンクイアピールでお茶を濁すかわいらしさすら感じられます。
このバイクはそう言わせてしまうほどの魅力的な顔立ちをしています。
まるで顔を先に決めてから、その他の部分を合わせてデザインしたかのように感じます。
つまり顔のデザインが気に入るか否かがZ1000の評価を大きく分けると思います。
低く構えた顔から除く4眼。
獲物を狙う、ネコ科の猛獣の肩甲骨を思わせるタンク。
ピンと伸びたテールは常に戦闘態勢です。
まるで愛車に魂があるかのように錯覚し、休憩中につい話しかけたくなります。
この生物っぽさが圧倒的な相棒感につながるのです。
加えてダークヒーローっぽいこの雰囲気。
中二病には辛抱たまらんです。
男はみな中二病です。
バイク好きはその中でも選りすぐりのエリート中二病患者です。
己の中二心に聞いてみてください。
陰とか闇とか邪といった漢字に思わず反応しちゃいませんか?
闇の魔獣を相棒に旅をするだとか、ピンチになると特別な眼を覚醒させるだとかに憧れちゃあいませんか?
だとしたらZ1000は理想のバイクです。
その2:カスタムベースとして優秀
個人レベルで可能な範囲内でも、カスタムで大きく雰囲気を変えやすいバイクです。
Z1000は(というかストリートファイターというジャンル自体)日本よりも海外でより人気があります。
そのため国内はもちろん世界中のパーツメーカーが様々なカスタムパーツを出しています。
またネイキッドながらカウル類、フレームの面積が広いので、ステッカーやエンブレム等のアクセントを入れる余白がある点も個性を出しやすい要因になっています。
ebayやアリエクスプレスなどの海外通販サイトを使えば安価ながらクオリティの高いパーツも多いです。
また近未来風のデザインのバイクなので、DIYをする気になればどんなに個性的なカスタムをしても馴染みます。
Z1000は新車状態の時に、ここを変えるともっと自分好みになるなって思う点が多いバイクだと個人的には思いました。
それは弱点ではなく優れた点と僕は思っています。
僕はプラモデルが好きだったので後者です。
バイクいじりが好きな方はとことんハマっちゃうバイクだと思います。
その3:凄まじいトルク
見た目に反して乗りやすいバイクなんですが、スロットルをガバ開けしたとたん、エンジンの咆哮とともに魂が置いてかれるほどの加速を味わえます。
あまりの加速に後輪に直接座ってエンジンにしがみついている気分になります。
それでいて安定性がいいので恐怖は感じないです。
力の全てを開放できるのは1秒未満と誓約を結んでいる。こいつのトルクはあまりに危険すぎるのでな・・・
ホントはもう7年も乗ってるのにフルスロットルの加速はいまだに怖いです。
その4:価格が安い!
2022年モデルでのスーパーネイキッド価格比較(税込み)
KAWASAKIのZ1000が118万8000円・・・141PS
SUZUKIのGSX₋S1000が143万円・・・150PS
HONDAのCB1000Rが167万円・・・145PS
YAMAHAのMT-10が192万5000万円・・・166PS
DUCATIのストリートファイターV2が199万9000円・・・208PS
各社のスーパーネイキッドを一番グレードの低いモデルと比べてみましたが、圧倒的に安価です。(横の数値は馬力です)
もちろんZ1000だけ電子制御がないとか、一番モデル的に古いとか理由はあります。
それでも同じリッタークラスでこの価格差はコスパに優れているとしか思えません。
ちなみに1馬力あたりの価格は
Z1000が8,425円
GSX-S1000が9,533円
CBR1000Rが11,517円
MT-10が11,596円
ストファイV2が9,610円
意味ある計算かはわかりませんが高い馬力の割にやはり安いです。
ちなみにストリートファイターV2が出た時はそのあまりのカッコよさに「グヌヌ・・・」となりました。
でもツーリング先でたまたま出会ったV2のオーナーさんに頼んで一緒に写真を撮らせてもらったところ、やっぱりカスタムした僕のZ1000も互角以上にカッコいいと惚れ直しました。
何が言いたいかというとZ1000は値段の割にエンジンの性能が良くて、その代わりに全ての最新電子装備を投げ捨てた漢のバイクだという事です。あとかっこいいです。
Z1000の残念なところ
その1:シートが薄い・・・
これがZ1000でぶっちぎりの弱点だと思っています。
デザインとトレードオフだったのでしょうが、シートが薄くて硬いです。ケツが割れてモーゼが出て来そうになります。
平気な人は平気なのでしょうが、僕は最初の頃は30分乗っただけで痛すぎて休憩してました。
今はゲルザブをシートに仕込んだので改善されていますが、それでも1時間半から2時間でケツに限界が来ます。
とはいえ1日中乗ってることもありますし、往復1200キロほどの長距離ツーリングに行ったりもしてるので工夫やカスタム、休憩のとり方次第で何とかなる範疇ではあります。
スノボやチャリ用のケツパッドを履いたりと抵抗もできます。
もしかしたらSSなんかと比べたらマシなのかもしれません。
緩和はできます。でも痛いです。
その2:ハンドル切れ角が小さい・・・
小回りを利かせて頭の向きを変えるのが苦手です。
Uターンや取り回しの度にストレスを感じます。
あ、普通のカーブはもちろんヒラヒラ曲がります。
ちなみに僕は運転技術があまり高くありません。
バイク置き場もスペースがきつく、頭の向きを変えないと出庫できない場所にあります。
だから余計にストレスを感じているだけで、運転がうまい方や広い保管場所がある方は弱点と感じない気もします。
下手な僕でも大きな道ならUターン出来ます。でも怖いです。
よく言われているZ1000の弱点
その1:高速走行時の風がきつい
確かにカウルや大型のスクリーン付きバイクより風はきついです。
でもこれはZ1000の弱点というよりはネイキッドバイクの宿命です。
長距離高速ツーリングがメインな方や、サーキットで最速を目指している人の選ぶバイクではないので、弱点というのは違うかなとも思います。
とはいえ高速道路でも法定速度内でしたらあまり問題ないです。
疲れてきた時は速度を80キロに落として休んでます。
風防効果が高いと評判なスクリーンもあるんですけど、僕個人としてはデザインが好みでないのでつけてないです。
なるほど、素顔がかっこよすぎて風防のカスタムがしたくなくなるって点は、確かに弱点かもしれません。
結論:カスタムか我慢でどうにかなります。
その2:積載性がない
タンデムシートが小さく先細りな形状なのでシートバックは少し乗せにくいです。
ただバイクの積載力ってアドベンチャーバイクやビッグスクーター以外は割とどっこいだと思っています。
Z1000にもサイドバックのカスタムパーツはありますし、タンデムシートと交換する形で面積を広くしてシートバックを安定させるパーツもあります。
僕自身もシートバックを載せて、野宿連泊ツーリングやキャンツーをしたこともありますが問題は感じませんでした。
サイドバックを常設したい気持ちもあるのですが、僕個人としてはお尻のセクシーさが損なわれるので付けたくありません。
なるほど、スタイルが良すぎてキャンツーでも無積載で乗りたくなるって点は、確かに弱点かもしれません。
結論:カスタムと工夫でどうにかなります。
まとめ
Z1000は速さはスーパースポーツには及びません。
林道はもちろん走れないし、長距離ツーリングでは快適とは言えません。
明確にバイクに求める性能があるなら、そのジャンルに特化したバイクを選んだ方が後悔しないと思います。
Z1000 14~に与えられた唯一無二で圧倒的な個性はデザインです。
そしてそのデザインをさらに追求し、自分好みにできるカスタム性の高さが最大の売りだと思います。
車体価格が比較的安い分カスタム費やバイク用品代に回すこともできます。
トルク感から乗ってて楽しいバイクであるので、ただの見掛け倒しのバイクでもありません。
僕はバイクの運転が出来なくなるまで乗り続けると決めています。
皆さんはなぜバイクに興味を持ちましたか?
単純にカッコいいと感じたからと答える人が大半だと思います。
僕も免許を取る前は、カッコいいバイクに乗っている自分を想像してはワクワクしていました。
であるならデザインは性能と同じかそれ以上に重要な要素だと僕は考えます。
Z1000は性能的には特定の分野にすごく特化した性能はないかもしれませんが、なんでもこなせるオールラウンダーです。
デザインが気に入ったなら買って絶対に後悔しないです。
乗って楽しい、見て楽しい、いじって楽しいZ1000。
魅力が少しでも伝わればうれしく思います。